Fetch とは
Fetch は、AI に「URL を指定して Web ページを取りに行かせる」ための基本ユーティリティです。通常の AI は学習データのカットオフ以降の情報を持っていませんが、Fetch MCP を導入すると、AI が必要に応じて指定 URL から最新情報を取得できるようになります。
スマートスピーカーがインターネットから天気を読み上げるように、AI に「ブラウザ機能」を持たせるプラグインとして機能します。公式ドキュメント参照・リリースノート確認・競合リサーチ・公開 API のレスポンス調査など、リアルタイム情報が必要なあらゆる場面で土台となるツールです。
これは Model Context Protocol(MCP)公式が提供する標準実装の一つです。
Fetch × AI でできること
この MCP サーバーを導入すると、AI が指定 URL から Web ページや API レスポンスを取得できます。
📄 Web ページを取得
「このリリースノート URL を取得して変更点をまとめて」
→ ページ取得 + 要点抽出
📚 公式ドキュメントを参照
「Next.js 公式ドキュメントを参照しながら server actions の実装案を出して」
→ 最新仕様を踏まえたコード提案
🔍 競合リサーチ
「competitor.com の料金ページを取得してプラン比較表を作って」
→ Web 取得 + 表構造化
🛠️ API レスポンスを調査
「この API URL の JSON を取得してフィールド構造を解析して」
→ 公開 API の構造理解
提供される主なツール
Fetch MCP Server が公式に提供するツール:
| ツール名 | 役割 |
|---|---|
fetch | 指定 URL から Web ページや API レスポンスを取得(HTML / JSON / テキスト等を自動判別) |
単一ツール構成の目的特化型 MCP サーバーです。取得したコンテンツは AI のコンテキストに直接渡され、要約・解析・比較などの後段処理に活用されます。
Fetch MCP Server について
Fetch MCP Server は、MCP プロトコル元(Anthropic / modelcontextprotocol org)が提供する reference 実装です。modelcontextprotocol/servers モノレポの src/fetch 配下で active にメンテナンスされています。
実装は Python 製で、uv(Astral 社の Python パッケージマネージャ)の uvx コマンドで起動します。認証・API キー・外部接続設定は一切不要で、ゼロ設定で即座に Web 取得機能を AI に追加できる点が最大の魅力です。
スペック
- 配布形態: PyPI パッケージ(
mcp-server-fetch)+uvxランナー - 認証: 不要(公開 URL に対する HTTP GET)
- 提供元: MCP プロトコル元の reference 実装(modelcontextprotocol/servers)/ MIT
- 対応範囲: HTTP/HTTPS による Web ページ・API レスポンス取得
- 公式ドキュメント: github.com/modelcontextprotocol/servers/tree/main/src/fetch
導入手順
前提条件
- uv がインストール済みであること(推奨)
- macOS/Linux:
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh - Windows:
powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"
- macOS/Linux:
ステップ
- ページ上部のタブから使用環境を選択し、JSON 設定をコピー
- コピーした JSON を設定ファイル(claude_desktop_config.json など)に追記して保存
- クライアントを再起動
認証情報は一切不要です。uvx が自動でパッケージを取得・起動します。
注意事項
- アクセス可能なのは、AI クライアントが実行されているマシンからネットワーク到達可能な URL のみです。
- Basic 認証や Cookie 認証が必要なページは、そのままでは取得できません。
- 過度なリクエストは対象サーバーへの負荷になるため、必要最小限の取得に留めてください。クローラ禁止のサイトに対する自動取得はトラブルの原因になります。
- 取得したコンテンツは AI のコンテキストウィンドウに収まるサイズである必要があります。非常に長いページは自動的に切り詰められる場合があります。
- 本サーバーは MCP プロトコル元の reference 実装です。Anthropic のサポート契約対象には含まれません(OSS としての MIT ライセンス提供)。
設定方法
MCP は、お使いの対応アプリ(クライアント)に下記の設定を貼り付けて使います。 タブからアプリを選び、表示された設定をコピーしてください。
Claude Desktop / Claude Code: Claude Desktop(公式デスクトップアプリ)と Claude Code(公式CLI)は同じ JSON を使います。Desktop は設定ファイルに貼り付け、Claude Code は `.mcp.json` に記述するか `claude mcp add` で追加します。
{
"mcpServers": {
"fetch": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-fetch"]
}
}
}
Cursor: AI 機能を内蔵したコードエディタ(`~/.cursor/mcp.json` に記述)
{
"mcpServers": {
"fetch": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-fetch"]
}
}
}
Cline: VS Code に追加する AI アシスタント拡張(設定画面の MCP Servers から記述)
{
"mcpServers": {
"fetch": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-fetch"]
}
}
}
Gemini CLI: Google の AI CLI。設定形式は Claude Desktop と同じで、`~/.gemini/settings.json` の `mcpServers` に記述するか `gemini mcp add` で追加します。
{
"mcpServers": {
"fetch": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-fetch"]
}
}
}
OpenAI Codex: OpenAI の CLI/IDE。設定は TOML 形式で `~/.codex/config.toml` に記述します(下記は左の JSON から自動変換した参考値です)。
[mcp_servers.fetch]
command = "uvx"
args = ["mcp-server-fetch"]VS Code: VS Code(GitHub Copilot のエージェント)。`mcp.json` の `servers` キーに記述します(下記は左の JSON から自動変換した参考値です)。
{
"servers": {
"fetch": {
"type": "stdio",
"command": "uvx",
"args": [
"mcp-server-fetch"
]
}
}
}※ Gemini CLI は Claude Desktop と同じ mcpServers 形式のため同一の JSON を表示しています。Codex / VS Code タブの設定は、上記 JSON を各公式スキーマ(Codex=~/.codex/config.toml の TOML 形式 / VS Code=mcp.json の servers キー)へ 自動変換した参考値です。貼り付け前にお使いのバージョンの公式ドキュメントもご確認ください。
主なユースケース
- 「このURLのリリースノートを取得して、変更点をまとめて」と頼むだけで、AIが Web から最新情報を取得して整理してくれる
- 「この公式ドキュメントを参照しながら実装方法を提案して」と AI に頼むと、学習データのカットオフ後の情報も活用できる
- 「competitor.com の料金ページを取得してプランを比較して」と競合リサーチを AI に委ねられる
- 「この API のレスポンス JSON を取得して、フィールド構造を解析して」と公開 API の調査も自動化できる
プラットフォーム別の注意事項
- WindowsPowerShell で実行する場合も追加の設定は不要です。認証情報が不要なため、そのまま動作します。
- macOSmacOS Sequoia ではシステムのセキュリティ設定によりローカルホストへのアクセスが制限される場合があります。
- プロキシ環境社内プロキシ環境では `HTTPS_PROXY` 環境変数を合わせて設定してください。社内のみ公開されている URL へのアクセスが必要な場合はプロキシ設定が必須です。