Salesforce DX MCP Server
- 最終確認:
- 2026-05-25
- ライセンス:
- Apache-2.0
Salesforce とは
Salesforce は、世界最大級の企業向け CRM(顧客関係管理)プラットフォームです。営業(Sales Cloud)・カスタマーサポート(Service Cloud)・マーケティング(Marketing Cloud)・ECコマース(Commerce Cloud)など、企業の顧客接点をカバーする多数のクラウド製品で構成されています。
エンタープライズ(大企業)市場で圧倒的シェアを持ち、特に金融・製造・医療など規制の厳しい業界で標準的に採用されています。Apex(独自プログラミング言語)や Lightning Web Components(LWC)など独自の開発プラットフォームを持ち、Salesforce 開発者・管理者は世界中に数百万人規模で存在する特殊な技術領域です。
Salesforce × AI でできること
この MCP サーバーを導入すると、Salesforce の開発・管理タスクを AI への一言で実行できます。
📊 SOQL でデータ集計
「Account から今月作成レコードを業種別に件数集計」
→ SOQL 実行 + 結果集計
🚀 Apex をデプロイ
「AccountTriggerHandler.cls をサンドボックスにデプロイ」
→ Salesforce CLI でメタデータデプロイ + エラー確認
👥 権限・ユーザー
「SOQL で最終ログイン 180 日以上前のユーザーを抽出」「権限セットを割り当て」
→ SOQL(User)で抽出 / assign_permission_set
🏢 マルチ Org 管理
「接続済み Org 一覧と各環境の API バージョンを確認」
→ Org 状態の横断確認
提供される主なツール
Salesforce DX MCP Server が公式に提供する Toolset 一覧(README 明記範囲):
| Toolset | 主なツール |
|---|---|
orgs | Org 一覧・取得(list_all_orgs 等) |
metadata | Apex / LWC 等のメタデータのデプロイ・取得(deploy_metadata / retrieve_metadata) |
data | SOQL クエリ実行(run_soql_query)※レコードの作成・更新・削除の専用ツールはなし |
users | 権限セットの割り当て(assign_permission_set) |
testing | Apex テストの実行(run_apex_test) |
注: 公式には all / core / data / devops / metadata / orgs / testing / users 等 17 の Toolset があり、
--toolsetsで有効化します。上記は本記事の設定例(orgs,metadata,data,users)に関係する代表例です。初期は最小限の Toolset から始めることを推奨します。
Salesforce DX MCP Server について
Salesforce DX MCP Server は、Salesforce 社が公式に提供する MCP サーバーです(リポジトリ: salesforcecli/mcp、npm: @salesforce/mcp)。Salesforce CLI(sf)を経由して、AI エージェントが Salesforce Org のメタデータ・データ・ユーザー管理を自然言語指示で実行できます。
ベータ(pilot/beta service)段階で、Beta Services Terms が適用されます。本番環境での利用は十分な検証が必要です。Apex コードのデプロイ・SOQL クエリの実行・組織設定の確認など、Salesforce 開発者・管理者が日常的に行う作業を AI に委任できます。
スペック
- 配布形態: npm パッケージ(
@salesforce/mcp)+ Salesforce CLI 経由 - 認証: Salesforce CLI で事前認証した Org(
sf org login web) - 提供元: Salesforce 社(公式・ベータ)/ Apache-2.0
- 対応範囲: 17 Toolset(all / core / data / devops / metadata / orgs / testing / users 等。設定例は orgs / metadata / data / users を有効化)
- 対応エディション: 本番 / Sandbox / Developer Edition / Scratch Org 等
- 公式リポジトリ: github.com/salesforcecli/mcp
導入手順
前提条件
- Node.js 20 以上
- Salesforce CLI(
@salesforce/cli) - 認証済み Salesforce Org
Salesforce CLI のインストールと認証
Step 1: Salesforce CLI のインストール
npm install -g @salesforce/cli
Step 2: Salesforce Org の認証
# 本番 Org / Developer Edition
sf org login web --alias myOrg --set-default
# サンドボックス
sf org login web --alias mySandbox --instance-url https://test.salesforce.com
Step 3: 認証確認
sf org list
認証済み Org が表示されれば準備完了です。
ステップ
- Salesforce CLI をインストールし、操作対象の Org を認証する(上記手順)
- ページ上部のタブから使用環境(Claude Desktop / Cursor / Cline)を選択し、JSON 設定をコピー
DEFAULT_TARGET_ORGの部分は認証済みのデフォルト Org を参照します。特定の Org を指定する場合はエイリアスまたはユーザー名に変更してください- 設定ファイルに追記して保存し、クライアントを再起動
注意事項
- 本パッケージはベータ(Beta Services Terms 適用) です。API の変更やブレイキングチェンジが発生する可能性があります。本番環境での利用は十分に検証してください。
- Salesforce CLI で事前に Org 認証が完了していない場合、MCP サーバーは接続できません。
--orgs ALLOW_ALL_ORGSを指定するとすべての認証済み Org へのアクセスを許可しますが、誤操作のリスクが高まります。本番環境では特定の Org エイリアスを指定することを推奨します。- データの書き込み・削除操作は元に戻せません。AI に実行させる前に内容を十分確認してください。
- CRM 上の顧客データは GDPR・個人情報保護法の対象です。AI 連携前に社内ポリシーを確認してください。
設定方法
MCP は、お使いの対応アプリ(クライアント)に下記の設定を貼り付けて使います。 タブからアプリを選び、表示された設定をコピーしてください。
Claude Desktop: Anthropic 公式のデスクトップ版 Claude アプリ
{
"mcpServers": {
"salesforce-dx": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@salesforce/mcp",
"--orgs",
"DEFAULT_TARGET_ORG",
"--toolsets",
"orgs,metadata,data,users"
]
}
}
}
Cursor: AI 機能を内蔵したコードエディタ
{
"mcpServers": {
"salesforce-dx": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@salesforce/mcp",
"--orgs",
"DEFAULT_TARGET_ORG",
"--toolsets",
"orgs,metadata,data,users"
]
}
}
}
Cline: VS Code に追加する AI アシスタント拡張
{
"mcpServers": {
"salesforce-dx": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"@salesforce/mcp",
"--orgs",
"DEFAULT_TARGET_ORG",
"--toolsets",
"orgs,metadata,data,users"
]
}
}
}
主なユースケース
- 「この Apex クラスをサンドボックス Org に保存・コンパイルして」と AI が Salesforce CLI でメタデータをデプロイできる
- 「SOQL で User オブジェクトから最終ログイン 180 日以上前のユーザーを抽出」とユーザーデータの分析を AI が実行する
- 「SOQL で商談データを取得して、今月クローズする案件の合計金額を集計」と Salesforce データを AI が分析する
- 「接続済みの Org 一覧を表示して各環境の API バージョンを確認」とマルチ Org 管理を AI が支援する
プラットフォーム別の注意事項
- Windows:Windows 環境(WSL2 含む)でも `npx` コマンドで動作しますが、事前に Salesforce CLI(`@salesforce/cli`)のインストールが必要です。
- :Salesforce CLI で事前に `sf org login web` コマンドを実行し、操作対象の Org を認証しておく必要があります。`--orgs DEFAULT_TARGET_ORG` は認証済みのデフォルト Org を指します。