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「この数字、Excel の表にしといて」が口頭で終わる時代になった話

· Plugy編集部

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こんな経験、ありませんか?

「会議で出た数字を、あとで Excel の表にまとめないと」 「提案の中身は決まってるのに、パワポに起こす作業で半日つぶれる」 「申請書を、決まった書式の PDF に整えるのが地味に面倒」

資料作成は、考える時間より「形にする作業」の方が長いことがよくあります。中身はもう頭の中にあるのに、Excel の関数を調べたり、スライドの体裁を整えたり、PDF の書式を合わせたり——この「作業」の部分に時間が溶けていきます。

この記事では、その「形にする作業」を AI に口頭で頼むだけにする方法を紹介します。プログラミングの知識は要りません。

この記事でできること

Anthropic Agent Skills(Claude の文書作成スキル)を使うと、次のような指示をチャットに打つだけで、ファイルが手元に届きます。

  • 「Q1 の売上(東京 120 万・大阪 85 万・名古屋 60 万)を、棒グラフ付きの Excel にして」
  • 「新サービスの提案を、課題・解決策・市場・価格・スケジュールの 5 枚構成で PowerPoint にして」
  • 「この申し込み内容を、印刷できる PDF の申請書類に整えて」
  • 「議事録のメモを、見出し付きの Word 文書にまとめて」

数式入りの Excel、デザインの整ったスライド、書式付きの PDF・Word——これまで手作業で組み立てていた成果物を、AI が「形にする」ところまでやってくれます。あなたは中身を考えることと、できあがりを確認することに集中できます。

【重要】スキルの役割と、人間の役割の切り分け

このスキルの役割は 「文書を正確な形に組み立てること」(Excel の数式・スライドの体裁・PDF の書式)に限定されます。「その数字が正しいか」「主張に無理がないか」「固有名詞や金額が事実か」を判断するのは人間です。

  • スキルの役割: 与えたデータ・指示を、Excel / PowerPoint / PDF / Word という「道具」で清書する
  • 人間の役割: 入れる数字・主張・固有名詞が事実かを確認し、最終的な責任を持つ

AI は「下書きを高速で作る道具」です。中身の正しさは必ず人間が確認してください。

使用するサービスについて

Anthropic Agent Skills とは?

Anthropic Agent Skills は、Claude を提供する Anthropic 社が公式に公開しているスキル集です(GitHub: anthropics/skills)。「スキル」とは、特定の作業のやり方を Claude に教える手順書のことで、その中に Word・PDF・PowerPoint・Excel を作る 4 つの文書スキルdocx / pdf / pptx / xlsx)が含まれています。

これらの文書スキルは、Claude.ai の「ファイル作成」機能の中身(裏側)として実際に使われているものです(Anthropic 公式: Create files)。

ライセンスについて: このリポジトリのスキルは種類によってライセンスが異なります。サンプルのスキルは Apache-2.0(オープンソース)ですが、**文書作成スキル(docx/pdf/pptx/xlsx)は「ソース公開・proprietary(オープンソースではない)」**として提供されています(各 SKILL.mdlicense: Proprietary 記載・リポジトリに単一の MIT ライセンスはありません)。利用は Claude の利用規約に従います。

使い方は 2 通り

非エンジニアの方には 方法 A(Claude.ai)が圧倒的に簡単です。インストールも設定ファイルもありません。

方法 A: Claude.ai(有料プラン)— セットアップほぼ不要 ★おすすめ

文書作成スキルは、有料プラン(Pro など)の Claude.ai で標準的に使えます。リポジトリのインストールは不要で、チャットで「Excel にして」「PowerPoint にして」と頼むだけです。

  • 必要なもの: Claude.ai の有料プラン
  • 機能の有効化や使い方は公式ガイド Using skills in Claude を参照してください(プランや時期により設定画面が異なるため、ここでは特定のクリック手順は断定しません)。

方法 B: Claude Code(CLI を使う方向け)

ターミナルで Claude Code を使っている方は、リポジトリをプラグインとして追加できます(公式 README 記載のコマンド)。

/plugin marketplace add anthropics/skills

続いて文書スキルをインストールします。

/plugin install document-skills@anthropic-agent-skills

インストール後は「PDF スキルでこのファイルのフォームを抽出して」のように、スキル名を添えて依頼できます。Windows の方は Claude Code 自体が WSL2 必須である点に注意してください。

実践的な活用プロンプト例

以下は方法 A(Claude.ai)でそのまま使える例です。

シナリオ 1: 数字を Excel の表とグラフにする

次の Q1 売上を、月別・拠点別の表にして、拠点別の棒グラフも付けた
Excel にして。合計と前年比の列も追加して。
東京 120 / 大阪 85 / 名古屋 60(単位:万円)

数式・書式・グラフ付きの Excel ファイルが生成されます。「合計の数式は SUM で」「金額はカンマ区切りで」のように、書式の細部まで指示できます。

シナリオ 2: 提案を PowerPoint のたたき台にする

新サービスの提案資料を PowerPoint にして。
構成は「課題 / 解決策 / 市場規模 / 価格 / 導入スケジュール」の 5 枚。
各スライドは箇条書き 3 点まで、表紙にサービス名「○○」を入れて。

構成・箇条書き・表紙までを AI が組み立てます。中身(市場規模の数字や価格の根拠)は人間が確認・修正する前提で、ゼロから作るより大幅に時短できます。

シナリオ 3: 配布用の PDF・Word に整える

この申込内容を、A4 1 枚の申請書類の体裁で PDF にして。
(氏名・住所・申込日・申込内容の欄を設けて)
会議メモを、見出し(議題 / 決定事項 / TODO)付きの Word 文書にまとめて。
TODO は担当者と期限がわかるように箇条書きで。

シナリオ 4: 自分専用の手順を「スキル」にする(やや上級)

方法 B(Claude Code)では、毎回やる作業を SKILL.md という手順書にまとめて、自分専用スキルにできます。詳しくは 自作スキルの公式ガイド を参照してください。

つまずきやすいポイント

「ファイル作成」機能が見当たらない

文書作成スキルは有料プランの機能です。無料プランでは使えない場合があります。プランの状態と、公式ガイドの設定方法を確認してください。

出てきた数字をそのまま信じない

AI は「形にする」のは得意ですが、入れる数字や主張の正しさは保証しません。Excel の数式が意図通りか、スライドの数字が事実か、必ず人間が確認してください。これは前述の「スキルの役割/人間の役割」の切り分けそのものです。

細かい書式は追加で指示する

一度で完璧な体裁にならないこともあります。「フォントを大きく」「色を会社のブランドカラーに」「グラフを円グラフに」のように、会話で少しずつ直していくのが現実的です。

Claude Code 版は環境が必要

方法 B はターミナル(Claude Code)が前提です。非エンジニアの方は、まず方法 A(Claude.ai)から始めるのをおすすめします。

よくある質問

Q: プログラミングの知識は必要ですか?

方法 A(Claude.ai)なら不要です。チャットで日本語で頼むだけで、Excel・PowerPoint・PDF・Word のファイルが手に入ります。

Q: 無料で使えますか?

文書作成スキルは Claude の有料プランの機能です。Claude.ai 自体の料金体系に従います(スキルの追加料金はありません)。

Q: できあがった資料はそのまま提出していいですか?

たたき台として使ってください。中身の数字・固有名詞・主張が事実かは人間が確認する必要があります。体裁は AI、内容の責任は人間、と分けると安全です。

Q: 日本語の資料も作れますか?

はい。日本語で指示すれば日本語の Excel・スライド・文書が作れます。ただし細かい体裁(縦書き等)は指示と確認を重ねるのが確実です。

まとめ

資料作成の時間の多くは、「考える時間」ではなく「形にする作業」に消えています。Anthropic Agent Skills(Claude の文書作成スキル)は、その作業を AI に口頭で頼むだけにしてくれます。

非エンジニアの方は、まず有料プランの Claude.aiで「この数字を Excel にして」と頼んでみてください。インストールも設定ファイルも要りません。大事なのは、体裁は AI に任せ、中身の正しさは自分で確認すること。この切り分けさえ守れば、資料作成は「作業」から「確認」へと変わります。

掲載元の詳細は Anthropic Agent Skills のページ を参照してください。