AI活用ガイド · 活用事例

気になる街、結局どこが自分向き?──公的データでAIに「エリア採点」させる方法

· Plugy編集部

シェア
目次

こんな経験、ありませんか?

物件探しでも、自宅選びでも、候補のエリアが2つ3つに増えてくると、こうなります。

A駅周辺とB駅周辺、結局どっちが自分に合ってるんだろう?

相場は不動産情報ライブラリ、用途地域は都市計画図、周りの病院や学校はまた別の地図サイト……。ひとつのエリアを下調べするだけで何サイトも巡り、候補が増えるたびに同じ作業の繰り返し。並べて比べたいのに、比べられる形になっていないのが本当の困りごとです。

この記事では、その下調べと比較を AIに任せて、自分の条件で「エリア採点」させる 方法を紹介します。使うのは、どちらも 国(国土交通省)の公開データ につながる2つのMCPです。

この記事でできること・できないこと

エリア名や住所を伝えると、AIが公的データを集めて整理し、あなたが決めた重視ポイントで候補エリアを点数化・比較してくれます。物件探しや自宅検討の 一次スクリーニング(最初のふるい分け) に向いています。

この方法で「分からないこと」

扱うのは公的に開かれた相場・規制・周辺環境のデータです。投資判断の核心である 家賃相場・利回り・空室率は、これらの公的データには含まれません。収益性を詰めるには REINS(指定流通機構) や賃貸相場サイト、管理会社のヒアリングなどを別途ご利用ください。この記事はあくまで「エリアの素性を素早く把握して候補を絞る」ためのものです。

MCPの基本から知りたい方へ

MCPって何?という方は、先に「MCPとは?」と「MCPを動かす基本ガイド」をご覧ください。

使う2つのデータ(+まとめ先)

ツール役割何が取れる
不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)MCP相場・規制実際の取引価格、地価、用途地域、建ぺい率・容積率
国土交通データプラットフォーム MCP周辺環境病院・学校・公園・避難施設・駅などの公的データ
Google Sheets MCP(任意)まとめ先比較結果をそのままスプレッドシートへ

どちらも国土交通省の公開データが情報源です。AIが数字を作るのではなく、公的データを取りに行って整理するのがポイントです。

仕組みの全体像

不動産情報ライブラリ ─┐(価格・用途地域・建ぺい率/容積率)
                      ├─▶ Claude(あなたの条件で採点・比較)─▶ 比較表
国土交通データ ───────┘(病院・学校・公園・避難施設・駅)

下準備:2つのMCPを用意する

設定は少し手間がかかります(中級者向け)

この2つは「コピペで10分」とはいきません。それぞれ無料のAPIキー取得とローカルでのセットアップが必要です(不動産情報ライブラリのAPIキーは申請から発行まで数営業日かかります)。正確な手順は各ツールの詳細ページにまとめてあります。

ここから先は、2つのMCPが使える状態になっている前提で進めます。

ステップ①:相場と規制を調べる

プロンプト例

○○区の中古マンションの最近の取引を調べて、
価格帯(だいたいの安い〜高い)と、よくある専有面積・築年数、
用途地域・建ぺい率・容積率を、わかりやすくまとめてください。

AIが不動産情報ライブラリから取引データを取得して整理します。取引データには 用途地域・建ぺい率・容積率まで含まれている ので、「どのくらいの規模の建物が建てられる地域か」という規制面まで一度に把握できます。

データの鮮度について

取引価格データは 直近1〜2四半期前まで の公開です(リアルタイムではありません)。最新の四半期が空のときは、ひとつ前の期で聞き直してください。

ステップ②:周辺環境を調べる

プロンプト例

○○(住所または駅名)から半径1km以内にある
病院・学校・公園・避難施設の数と、主なものを一覧にしてください。
近くの駅も教えてください。

国土交通データプラットフォームから、施設の実名と位置を取得して一覧にしてくれます。生活利便性や、賃貸需要・ファミリー需要のイメージをつかむ材料になります。

災害リスクはこのデータだけで判断しない

洪水・土砂災害などのハザード情報は、このデータでは粗く、エリアによっては取得できません。災害リスクは国土交通省「重ねるハザードマップ」など専用ツールを必ず併用してください。

ステップ③:自分の条件で「エリア採点」して見比べる

ここがこの記事の本題です。集めたデータを、あなたが重視するポイントに沿って点数化し、候補エリアを横並びで比較します。

まずは項目ごとに ○/△/×

いきなり合計点を出すより、観点ごとに ○/△/× で見える化するのがおすすめです。何がどう良い/弱いのかが一目で分かります。

観点見るデータ
相場が予算に合うか取引価格レンジ
建てられる規模の余地用途地域・容積率
交通の便駅・乗降客数
生活の便利さ病院・公園
教育環境学校・学区
防災の備え避難施設(※ハザード本体は別途確認)

プロンプト例(自分の重視順を渡す)

候補エリア A・B・C について、上の観点ごとに ○/△/× で評価して、
比較表にしてください。

私が重視する順番は「交通 > 相場 > 教育」です。
もし総合点も出す場合は、この重視順を重みにして計算し、
点数は「エリアの良し悪し」ではなく「私の条件にどれだけ合うか」
である、と必ず添えてください。

点数は「あなた専用のものさし」です

ここで出る点数は、あなたが決めた重みに対する"合致度" であって、エリアの客観的な良し悪し・将来の値上がりを示すものではありません。重視ポイントが変われば点数も変わります。数字を一人歩きさせず、必ず内訳(○/△/×)とセットで見てください。 配点は自由に調整してOKです(ファミリー賃貸なら教育を重く、一棟なら容積率を重く、など)。

そのままスプレッドシートへ書き出すなら

Google Sheets MCP を入れていれば、「この比較表を Google Sheets に書き出して」と頼むだけでシートに保存できます。家族やパートナーと共有したいときに便利です。

完成イメージ

━━━ エリア比較(あなたの重視順:交通>相場>教育)━━━
観点            | エリアA   | エリアB
相場が予算に合う | △        | ○
規模の余地(容積) | ○(高)    | △
交通の便        | ◎        | ○
生活の便利さ     | ○        | ○
教育環境        | △        | ◎
あなたへの合致度 | 高め      | 中くらい
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「価格は張るが交通最強のA」「教育環境で選ぶならB」のように、自分の軸での向き不向きが見えてきます。

購入・投資の判断にあたって(重要)

この記事は投資助言ではありません/完全に自己責任で

本記事は、公的な不動産データをAIで効率よく集めて比較する「手順」の紹介です。特定の物件・地域の購入を勧めるものではありません。

  • 紹介するデータと点数は 参考情報・あなた専用の目安 です。取引価格は匿名化・統計処理された参考値で、最新でも1〜2四半期前までの公開です。
  • 家賃相場・利回り・空室率は含まれません。収益性は REINS や賃貸相場サイト等で別途ご確認ください。
  • 最終的な購入・投資の判断は、完全にご自身の責任 で行ってください。
  • 個別の判断・契約・税務・資金計画は、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・税理士などの専門家 にご相談ください。
  • 各データの利用条件(商用利用の可否など)は、それぞれの公式サイトの利用規約をご確認ください。

まとめ

候補エリアを「相場×周辺環境」で集めて、自分の重視ポイントで採点して見比べる方法を紹介しました。

調べたいこと使うデータ
相場・規制(価格・用途地域・建ぺい率/容積率)不動産情報ライブラリ MCP
周辺環境(病院・学校・公園・避難施設・駅)国土交通データプラットフォーム MCP
まとめ・共有Google Sheets MCP

何サイトも巡る下調べから解放されて、「自分にとってどこが向いているか」を比べることに時間を使えるようになります。


関連リンク