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「来週あたりで、打ち合わせのお時間をいただけますか」。こういうメールは、週に何通も届きます。
返すまでの手順は毎回同じです。カレンダーを開く。空いている時間を探す。候補を2つか3つ選ぶ。日付と曜日を書き写す。失礼のない文面に整える。1通なら数分ですが、曜日の書き間違いは相手に迷惑をかけるので、気も使います。
この往復を、AIへの一文で済ませられます。編集部で 2026年9月26日に、届いたメールを読ませ、カレンダーの空きから候補を3つ選ばせ、返信の下書きを作らせるところまで試しました。候補はすべて実際に空いている時間で、曜日も正しく書かれていました。
ただし、頼み方を短くすると、書いていない名前を推測して署名に入れる、という結果も出ました。うまくいった点と、送る前に確かめるべき点を順に書きます。
この記事でできること
- 届いた日程調整のメールをAIに読ませる
- 自分のカレンダーの空き時間から、候補を選ばせる
- 候補を入れた返信を、Gmail の下書きとして保存させる
送信は自分で行います。AIに任せるのは、送る手前までです。
使うもの
Gmail と Google カレンダー、それに Claude の Google Workspace コネクタです。コネクタは、Claude から Gmail やカレンダーを読み書きするための公式の接続です。
接続の設定について
コネクタのつなぎ方は、Google Workspace コネクタ(Claude限定) のページにまとめてあります。画面の手順が変わったときに古い情報が残らないよう、この記事には書かずにツールページを正典としています。
必要なものと費用
| 必要なもの | 費用 |
|---|---|
| Google アカウント(Gmail・Google カレンダー) | 無料 |
| Claude のアカウント | 契約中のプランの範囲内 |
| Google Workspace コネクタ | 追加の費用なし |
Google Cloud での開発者向けの設定は要りません。Claude の設定画面から、Google アカウントで許可するだけです。
公式ヘルプでは「Claude と Claude Desktop のすべてのユーザー」が対象とされています。会社の Team・Enterprise プランでは、先に管理者がコネクタを有効にする必要があります。編集部では無料プランでは試していません。
準備:許可は必要な分だけ
最初は、どの許可にもチェックが入っていません
Google の許可画面では、許可する範囲を自分で選びます。この記事の使い方なら、次の2つで足ります。
- Gmail:「メール メッセージと設定の表示」と「下書きの管理とメールの送信」
- Google カレンダー:「すべてのカレンダーの予定を表示」
カレンダーの編集や削除の許可は、この使い方では要りません。必要な分だけ許可するのが安全です。
実際に頼んだ文章
編集部では、別のアドレスから件名「打ち合わせの件」のメールを送り、Claude Desktop でこう頼みました。そのまま載せます。
Gmail に届いた『打ち合わせの件』を読んで、私のカレンダーで空いている時間から候補を3つ選び、返信の下書きを作ってください。送信はしないでください。
入れたのは、次の3つです。
- どのメールか(件名で指定する)
- 候補はいくつか
- 送信はしない
この3つが、あとで結果を大きく分けます。
出てきた結果
同じ文章を、Claude Sonnet 5 と Claude Opus 5.5 の両方に渡しました。
| Claude Sonnet 5 | Claude Opus 5.5 | |
|---|---|---|
| メールの特定 | 受信トレイから正しく見つけた | 受信トレイから正しく見つけた |
| 選んだ候補 | 9/28(月)14時・9/30(水)10時・10/2(金)15時 | 9/29(火)10時・9/30(水)14時・10/1(木)16時 |
| 候補は本当に空いていたか | 3つとも空き・曜日も正しい | 3つとも空き・曜日も正しい |
| 署名 | 入れなかった | 入れなかった(名前が分からないので入れていない、と自分から説明した) |
| 下書きの置き場所 | 最初から Gmail の下書きフォルダ | 最初から Gmail の下書きフォルダ |
| 送信 | しなかった | しなかった |
候補が空いているかどうかは、編集部がカレンダーと照らし合わせて確かめました。
どちらも、頼んだとおりに最後まで進みました。 メールを探して読み、空きを調べ、日本語の返信を Gmail の下書きに保存するところまでです。
違いは選び方に出ました。Sonnet 5 は「候補日を分散させた」と説明しました。Opus 5.5 は、月曜と金曜を「立ち上がり」「再調整の予備」として外したと理由を添えました。さらに、メールに打ち合わせの目的が書かれていなかったため、対面かオンラインか、何の相談かをたずねる一文を足していました。
そのままでは危ない点
1. 短く頼むと、名前を推測して署名に入れる
最初に、もっと短く頼んでいました。
このメールに、空いている候補で返信を下書きして
このときは、下書きの署名に名前が入っていました。 テストのメールには名前を書いていません。聞いてみると、受信トレイの別のメールの宛名から推測して入れたと説明されました。しかも、聞かれるまでそのことを言いませんでした。
推測が当たっていても、送る側の意図しない名前が入るのは困ります。名乗りや署名は、頼むときに自分で書いて渡してください。
2. 短く頼むと、下書きが Gmail に保存されない
短く頼んだときは、返信文が会話の画面にカードとして表示されるだけでした。Gmail の下書きフォルダには入っておらず、保存するには別に許可を求められました。
カードには「Gmailで送信」のボタンが付いています。押す前に、宛先と中身を必ず確かめてください。
「返信の下書きを作ってください。送信はしないでください」とはっきり書いたときは、どちらのモデルも最初から Gmail の下書きに保存しました。
3. 候補の時間帯は、書かなければAIが決める
今回は時間帯を指定しませんでした。それでも両方とも平日の日中から選びましたが、どの曜日を避けるかはモデルごとに違いました。
「来週の平日、10時から18時のあいだで、1時間」のように条件を書くと、自分の都合に合わせやすくなります。移動の前後や昼休みを外したい場合も、同じように書き足してください。
4. 試したのは1通ずつです
この記事で確かめたのは、仕組みが最後まで通ることと、頼み方で結果が変わる場所です。それぞれ1回ずつの試験で、いつも同じ結果になるとは限りません。下書きを送る前に、候補の日時が本当に空いているかを、カレンダーで一度見てください。
よくある質問
Q. 相手の予定も見て、共通の空き時間を出せますか。
コネクタには、参加者の共通の空き時間を探す機能があります。ただし、相手のカレンダーを見られるのは、相手が予定を共有している場合だけです。編集部では自分のカレンダーだけで試しました。
Q. 送信まで任せられますか。
できます。ただし既定では、送信の前に毎回確認を求められます。日程調整のメールは相手の予定を押さえるものなので、送信は自分の目で確かめてから行うことをおすすめします。
Q. Outlook でもできますか。
この記事では Gmail と Google カレンダーで試しました。Outlook で同じことができるかは、編集部では確かめていません。
Q. どちらのモデルを使えばよいですか。
この使い方では、どちらでも同じところまで進みました。結果を分けたのはモデルより頼み方でした。まずは「どのメールか」「候補はいくつか」「送信はしない」の3つを書いて頼んでみてください。
まとめ
日程調整の返信は、これまで「カレンダーを見ながら手で書く」しかありませんでした。AIに任せると、いまのところこう整理できます。
- できる:届いたメールを探して読み、空いている時間から候補を選ぶ
- できる:曜日まで正しく書いた返信を、Gmail の下書きに保存する
- 要注意:短く頼むと、名前を推測して署名に入れることがある。署名は自分で書いて渡す
- 要注意:「送信はしない」と書かないと、下書きが Gmail に保存されないことがある
頼む文章さえ一度決めてしまえば、次からは件名を入れ替えるだけです。
コネクタのつなぎ方は Google Workspace コネクタ(Claude限定) にまとめています。ほかにどんなことができるかは、AIワークフローのツール一覧から探せます。
検証した環境
- 日付:2026年9月26日
- 使ったもの:Claude Desktop、Google Workspace コネクタ(Gmail・Google カレンダー)
- モデル:Claude Sonnet 5、Claude Opus 5.5(同じ頼み方で1回ずつ)
- 頼み方:上の「実際に頼んだ文章」のとおり。短い頼み方は Claude Opus 5.5 だけで試しました
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